分子生物学のためのバイオインフォマティクス入門―生物情報解析の理論とアルゴリズム― 

書籍情報
ISBN978-4-320-05580-3
判型B5 
ページ数286ページ
発行年月2001年12月
本体価格5,300円
分子生物学のためのバイオインフォマティクス入門 書影
分子生物学のためのバイオインフォマティクス入門

ポストゲノムシーケンシング時代において,これまで以上に配列情報の系統的解析が重要を増している。これに伴い,配列情報解析のための背景知識を持った情報科学系と生物系研究者が要求されている。本書は,「バイオインフォマティクス」とも呼ばれるこの分野の研究手法について,基礎的かつ系統的な理論的解説を目指した入門書である。とり上げる話題は,生物学的基礎およびダイナミックプログラミング法やグラフ理論の基礎の解説に始まり,これらを用いた相同性検索などのアルゴリズムやゲノム解析に欠かせないフラグメントアセンブルや組換え問題,RNA・タンパク質の高次構造,DNAコンピュータまで多岐に渡っている。対象読者は情報科学系の学部レベルの学生以上を想定しているが,生物系読者でも読み進めて行くことに大きな困難はないはずである。後者は必要に応じ情報理論の参考書を参照してほしい。実践的解説が多いなか,むしろ理論的背景を知り,それを使って新規や既存のアルゴリズムの開発や改善を行いたい人に適した書といえる。

目次

日本語版への序
訳者まえがき
まえがき

第1章 分子生物学の基本的概念
1.1  生命
1.2  タンパク質
1.3  核酸
  1.3.1 DNA
  1.3.2 RNA
1.4 分子遺伝のメカニズム
  1.4.1 遺伝子と遺伝暗号
  1.4.2 転写,翻訳,タンパク質合成
  1.4.3 ジャンクDNAと読み枠
  1.4.4 染色体
  1.4.5 ゲノムとコンピュータプログラムの類似性
1.5 ゲノムはどのように研究されているのか
  1.5.1 地図と配列
  1.5.2 有用な技術
1.6 ヒトゲノム・プロジェクト
1.7 配列データベース
練習問題
文献に関する覚え書き

第2章 文字列・グラフ・アルゴリズム
2.1 文字列
2.2 グラフ
2.3 アルゴリズム
練習問題
文献に関する覚え書き

第3章 配列比較とデータベース検索
3.1 生物学的背景
3.2 2配列の比較
  3.2.1 グローバル(全域)比較―基本アルゴリズム
  3.2.2 ローカル(局所)比較
  3.2.3 セミグローバル(準全体)比較
3.3 基本アルゴリズムの拡張
  3.3.1 領域の節約
  3.3.2 一般的なギャップペナルティ関数
  3.3.3 アフィン(AFFINE) ギャップペナルティ関数
  3.3.4 類似配列の比較
3.4 マルチプルアラインメント(多重配列の整列)
  3.4.1 SP基準
  3.4.2 スターアラインメント法
  3.4.3 ツリーアラインメント法
3.5 データベース検索
  3.5.1 PAM行列
  3.5.2 BLAST
  3.5.3 FAST
3. 6 他の問題
  3.6.1 類似性と距離
  3.6.1 配列比較におけるパラメータ設定
  3.6.3 文字列一致と正しい配列比較
まとめ
練習問題
文献に関する覚え書き

第4章 DNA断片のアセンブル
4.1 生物学的背景
  4.1.1 理想的な例
  4.1.2 複雑な問題
  4.1.3 DNAの配列を決定するためのその他の方法
4.2 モデル
  4.2.1 最短共通超文字列(SCS)
  4.2.2 再構築
  4.2.3 マルチコンティグ
4.3 アルゴリズム
  4.3.1 重複の表現法
  4.3.2 包括文字列からの経路
  4.3.3 最短超配列を与える経路
  4.3.4  欲張りアルゴリズム
  4.3.5  循環なしの部分グラフ
4.4 発見的方法
  4.4.1 重複を見つける
  4.4.2 断片の順序付け
  4.4.3 アラインメントとコンセンサス
まとめ
演習問題
文献に関する覚え書き

第5章 DNAの物理的地図作り
5.1 生物的背景
  5.1.1 制限酵素地図
  5.1.2 ハイブリダイゼーション地図
5.2 モデル
  5.2.1 制限酵素部位モデル
  5.2.2 インターバルグラフモデル
  5.2.3 連続1s性
  5.2.4 アルゴリズムの意味合い
5.3 C1P問題のためのアルゴリズム
5.4 誤差を含むデータによるハイブリダイゼーションマッピングのための近似解法
  5.4.1 グラフモデル
  5.4.2 保障
  5.4.3 計算の実際
5.5  ハイブリダイゼーションマッピングの発見的方法
  5.5.1 キメラクローンの検査
  5.5.2 良いプローブの順番を得る
まとめ
練習問題
参考文献等

第6章 系統樹
6.1 形質状態と完全系統樹問題
6.2 二値の形質状態
6.3 二形質
6.4 系統樹の節約と適合
6.5 距離行列におけるアルゴリズム
  6.5.1  総和的木の再構築
6.6 系統樹の一致
まとめ
練習問題
文献に関する覚え書き

第7章ゲノム再編成
7.1 生物学的背景
7.2 有向ブロック
  7.2.1 定義
  7.2.2 切断点
  7.2.3 現実・理想図
  7.2.4 多重グラフ
  7.2.5 悪成分
  7.2.6 アルゴリズム
7.3 無向ブロック
  7.3.1 ストリップ
  7.3.2 アルゴリズム
まとめ
練習問題
文献に関する覚え書き

第8章 分子の立体構造予測
8.1 RNAの2次構造予測
8.2 タンパク質折り畳み問題
8.3 タンパク質スレッディング
まとめ
練習問題
文献に関する覚え書き

第9章 エピローグ:DNAを用いたコンピュータ
9.1 ハミルトン経路問題
9.2 充足可能性
9.3 問題点と今後の見通し
練習問題
文献に関する覚え書き

参考文献
解答
索引