物質としての脳

書籍情報
シリーズ名シリーズ・脳研究への出発 
ISBN978-4-320-05592-6
判型A5 
ページ数172ページ
発行年月2003年01月
本体価格3,000円
物質としての脳 書影
物質としての脳

人間は他の動物とは異なり,物事を学び,記憶し,有形,無形のものを創造することができる。こうした人間の人間たるゆえんは脳の働きにある。さる偉人が言ったように,私たちの小さな脳は大宇宙の果てまでも想像することができるのである。脳の驚嘆すべき機能は多数の神経細胞が連なってできた神経回路の働きによって可能となる。このような神経回路は各神経細胞を構成する物質の秩序だった活動があってはじめて機能できる.遺伝子工学の導入以降,脳機能に対する物質的立場からのアプローチはめざましい成果をもたらしてきた。本書では脳を構成する物質の構造と機能,脳のエネルギー代謝,神経細胞間の信号伝達部位であるシナプスの分子基盤について,これまでの研究成果をわかりやすく解説しており,これから脳研究をめざす学生,大学院生にとって格好の入門書である。

目次

第1章 脳のタンパク質 
1 刻まれて信号となる分子―ニューロペプチド
2 結合し合って構造体をなす分子
3 認識し合う分子

第2章 脳の脂質
1 ファーストメッセンジャー(受容体アゴニスト)としての生理活性物質
2 セカンドメッセンジャーとしての活性脂質
3 複合脂質の神経機能
4 脳の病態と脂質

第3章 脳の糖鎖
1 糖タンパク質の糖鎖
2 プロテオグリカンの糖鎖
3 今後の研究動向

第4章 脳におけるエネルギー代謝
1 生体におけるエネルギー代謝およびその調節の基本的性質
2 脳におけるエネルギー代謝の特性と研究の流れ
3 脳のエネルギー代謝と機能相関のメカニズムに関するモデル

第5章 シナプスの化学
1 化学シナプスにおける単一方向性の信号伝達
2 シナプス小胞研究の歴史
3 シナプス小胞の形成から融合まで
4 新しい膜融合モデルの提案