ケーススタディによる薬剤師の倫理 原著第2版

書籍情報
ISBN978-4-320-06167-5
判型菊 
ページ数400ページ
発行年月2010年03月
本体価格3,700円
ケーススタディによる薬剤師の倫理 書影
ケーススタディによる薬剤師の倫理

本書では,薬局や病院の薬剤師や研究者が直面するさまざまなジレンマを取り扱っている。一読すれば,そうした多種多様な問題解決に向けて倫理的判断を下していくためには,医療関係の知識だけでなく,人間的,社会的,文化的にも深い理解が求められることに読者は気づかれるであろう。そのためには人間としての幅広さや深さ,つまり教養が必要であり,人文社会系の学問がいかに重要であるかもわかるであろう。さらには,自分で考えることの大事さ,楽しさに気づかれる方もいるだろう。そうした点に面白さや,さらには薬剤師としてのやりがいを感じてもらえれるであろう。

目次

序論 倫理学の4つの問い
1.倫理的主張の拠り所,意味,および正当化とは何か
2.どんな種類の行為が正しいのか
3.規則はどのようにして具体的な状況に適用されるのか
4.具体的な事例において何をなすべきか

第I部 薬学における倫理と価値
1 倫理問題解決のためのモデル
1.何かがおかしい,という感覚に反応しなさい
2.情報を集めなさい
3.倫理問題/道徳的診断を確認しなさい
4.解決を求めなさい
5.行動方針を選ぶために他の人たちと協力しなさい

2 健康と病気における価値
1.薬学における価値判断の確認
2.倫理的評価とそれ以外の評価の区別

3 道徳的判断の拠り所は何か
1.倫理の基礎を専門職倫理規定に置くこと
2.倫理の基礎を医師の指示に置くこと
3.倫理の基礎を病院の方針に置くこと
4.倫理の基礎を患者の価値観に置くこと
5.倫理の基礎を宗教的または哲学的な観点に置くこと

第II部 薬学倫理の原理
4 患者およびそれ以外の人たちに利益を与えること:利益を与え,危害を与えない義務
1.患者に利益を与えること
2.社会および患者以外の人に利益を与えること

5 正義:医療資源の配分
1.患者間の正義
2.患者とそれ以外の人たちの間の正義
3.公共政策における正義
4.正義と他の倫理原理

6 自律
1.患者が自律しているかどうかの決定
2.自律に対する外的制約
3.自律している人の選択を無視すること

7 誠実:患者に正直に対応すること
1.疑問状況
2.利益を与えるためにうそをつくこと
3.真実告知の特別な場合
4.カルテを入手する権利

8 忠実:約束の遵守と守秘
1.約束の倫理:明示的な約束または暗黙の約束
2.守秘の約束の限界
3.患者以外の人に利益を与えるために秘密を破ること
4.無能な,健康を損なった,または不正直な同僚

9 殺害の回避
1.積極的に殺すこと 対 死ぬにまかせること
2.治療差し控え 対 治療中止
3.直接的殺害 対 間接的殺害
4.正当な治療差し控え
5.自発的および反自発的な殺害
6.罰としての殺害

第III部 具体的な問題領域
10 人工妊娠中絶,不妊手術,および避妊
1.妊娠中絶
2.不妊手術
3.避妊

11 遺伝学,出産,生物学的革命
1.遺伝相談
2.遺伝子検査
3.体外受精
4.代理出産
5.遺伝子工学

12 精神保健と行動抑制
1.精神保健の概念
2.精神障害と自律的行動
3.精神障害と第三者の利益
4.他の行動抑制療法

13 医薬品集と医薬品流通システム

14 ヒトを対象とする実験
1.危険と利益の計算
2.プライバシーと守秘
3.研究における公平
4.研究における利益の対立
5.研究におけるインフォームド・コンセント

15 同意と治療拒否権
1.同意の要素
2.同意の基準
3.理解と自発性

16 死と死にゆくこと
1.死の定義
2.以前は判断能力のあった患者
3.まったく能力のない患者
4.患者以外の人の利益に基づく制限

付録
訳者あとがき
索引