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健康とは何か―新しい健康観を求めて― 第2版

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書籍情報
ISBN978-4-320-06171-2
判型A5 
ページ数180ページ
発行年月2011年04月
本体価格2,800円
健康とは何か 書影
健康とは何か

 本書はMildred BlaxterによるHealth,Polity Press 改訂第2版(2010)の全訳である。初版との大きな違いは,特に第3章と第6章が大幅に書き換えられたこと,社会学の行き過ぎと感じさせる説への補足や修正が増えたことである。なお,改訂に際して削除され過ぎたため却って意味不明瞭になったところが多々あり,訳出に当たっては,訳者の責任で初版のままにしたところもある。
 本書は急性病から慢性病,変性疾患という疾病構造の変化の中で,健康に関する20世紀後半の諸説や理論を鳥瞰したものである。その基本的なスタンスには,近代以降,健康を考える上で強い力をもってきた生物医学に対する批判があり,批判するにあたっては,社会学的なアプローチがとられている。社会モデルを用いて健康の多様な側面が捉えられ,健康の生成や病気の発生に社会的要因や行動的要因が強くかかわっているということだけでなく,健康と病気の概念の背景にある正常と異常の定義自体が社会的,文化的,歴史的に規定されたものであることが指摘される。
 そうした考察の延長線上で,健康が素人の考え,経験,行動とのかかわりで,さらには社会資本や危険社会などとのかかわりで捉えられているが,これらが豊富な経験的データに基づいて展開されていることが大きな特徴といえる。

目次

第1章 健康はどのように定義されるか
病気の欠如としての健康
逸脱としての疾患
均衡または恒常性としての健康
機能としての健康
状態または状況としての健康
生物医学モデル
現代の生物医学
社会モデル
健康,疾患,病気,および病人役割
健康はどのように測定されるか
健康資本
まとめ

第2章 健康はどのように構成されるか
社会的構成としての健康
歴史的構成
文化的構成
構成主義とフェミニズム
病気,ラベリング,およびスティグマ
構成主義と精神病
構成主義と障害
相対主義批判
医療化,および医学的実践の構成
まとめ

第3章 健康はどのように身体化され経験されるか
身体化
素人による健康の定義
健康の社会的表象
健康の自己評価
健康と病気の原因についての考え
健康歴と主観的な健康資本
語りの限界
健康に対する責任
意味の追求
道徳的言説および隠喩としての健康
病の語り
素人の考えと健康行動

第4章 健康をめぐってどのような行動がなされるか
「病気行動」の興隆と衰退
人から患者へ:援助を求める行動
患者の役割―制御と協調
病人の振る舞い
「健康的に」振る舞うこと
構造/主体:文化的な消費としての健康
構造/主体:自己管理としての健康

第5章 健康は社会システムとどう関係するか
機能的関係
機能主義への反応
医療と社会
健康,経済発展,および社会組織
経済発展の負の側面
健康における不平等の概念
不平等の性質と程度
不平等の原因
社会生物学的解釈
新物質主義的説明
社会関係資本

第6章 現代における健康の意味の変化
科学技術と脱近代
病気であることと病気でないことの境界の変化
新遺伝学
生と死の境界の変化
自己と非自己の境界の変化
治療と能力増強の境界の変化
情報技術と医療
健康と医学に対する態度の変化
新しい科学技術とリスク社会
進化医学
まとめ

第7章 結論

参考文献
訳者あとがき
索引