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大人につきあう子どもたち―子育てへの文化歴史的アプローチ― 

書籍情報
シリーズ名越境する認知科学 全13巻 【4】巻
ISBN978-4-320-09464-2
判型四六 
ページ数228ページ
発行年月2020年05月
本体価格3,200円
大人につきあう子どもたち 書影
大人につきあう子どもたち

 本書は,大人が子どもを育てる家庭や保育園といった制度の枠内で展開される多様な子育て活動を取り上げ,その対象としての当の子どもがそうした活動にどのように参加しているのかという問いを検討する。
 活動対象としての子どもには,「無能」であるという前提が要請される。しかし,人間の知的な有能さを明らかにしてきた認知科学や近接する社会科学に立脚すれば,そうした子どもにおいてもある種の有能さを見いだせるだろう。実際,子育て活動の遂行とは,有能な子どもと大人による見事な協働作業なのである。
 具体的に取り上げるのは,家庭での家族間会話,保育園での「ご挨拶」や「お誕生会」といった実践である。分析されるのは,どこにでもある,日常的な,子どもと大人による些細な相互行為だ。本書では,社会学における会話分析という方法論を採用し,人々の協働の具体的な姿を描き出す。同時に,心理学における文化歴史的アプローチから,そうした協働を可能にする諸条件やそこから生起する人々の精神発達を描くための理論的な見通しを与える。
 子どもにとって,子育てとは何なのか?

目次

第1章 子どもは大人につきあっている?
1.1 授業につきあう子どもたち
1.2 未熟さとは何か
1.3 有能さとは何か
1.4 ケアの中の有能さ
1.5 本を読むという協働
1.6 読み聞かせという協働
1.7 大人の死角

第2章 子どもと大人の協働をどのように理解するか
2.1 コンピタンス・パラダイム
2.2 子どもと大人の相互行為を分析するには
2.3 リソースとしての「子ども」
2.4 もう一度,子どもの有能さとは何か

第3章 子どもによる家族会話の組織化
3.1 大人を「受け手」にする
3.2 大人を「話し手」にする
3.3 「傍参与者」になる
3.4 夫婦間会話を支える

第4章 子育て実践への文化歴史的アプローチ
4.1 文化歴史的アプローチとは
4.2 活動としての「子育て」と子ども
4.3 文化歴史的アプローチに基づく精神発達理論
4.4 現代的家族制度の条件
4.5 タイム・ポリティクス
4.6 実践の痕跡としての家族

第5章 保育実践における空間と時間の秩序形成
5.1 保育園という制度
5.2 一斉発話の意味
5.3 一斉発話の協働的達成
5.4 もう一度,一斉発話の意味とは

第6章 保育を遊ぶ子どもたち
6.1 「お誕生会」とは
6.2 「お誕生会」の身構え
6.3 「だんだんに,ちゃんと」の内実
6.4 呼びかけという遊び
6.5 やりたいことが違うから保育実践が成立する

第7章 子どもにとって,子育てとは何か
7.1 無能/有能の二分法を超えて
7.2 子育て活動と文化歴史的アプローチ
7.3 子どもの声と不同意
7.4 沈黙とことば

引用文献
おわりに
索引