• 教科書献本のご案内
  • ニュースメール
  • アフターサービス
  • facebook

数理ファイナンス入門―離散時間モデル― 

書籍情報
ISBN978-4-320-09626-4
判型菊 
ページ数312ページ
発行年月2001年03月
本体価格5,700円
数理ファイナンス入門 書影
数理ファイナンス入門

証券市場に関する完全な理論をマスターしようとすれば,連続時間確率過程モデルや測度論,数理経済学,その他修士課程以前には学ぶことのない知識が要求される。したがって,証券市場に関する理論を本気で勉強しようとすれば,大学院生になって何年も勉強するか,それと同じような一念発起の経験が必要になる。しかし,証券価格に関する離散時間モデルだけに焦点を当てれば,高等数学に莫大な労力を費やすことなく入門を果たすことができる。本書はこのような入門編の学習に供することを目的に書かれた。
 本書のねらいは,肩肘張ることなく,金融理論を厳密に論ずることである。計算例を多く取り入れており,演習問題を解くことによって,理解度をチェックしたり,補足的な知識を得たりすることができる。
 本書は7つの章からなっている。最初の2つの章は1期間モデルにページを割いている。本書における重要な概念のほとんどがここで紹介されている。
 それ以降の章では多期間モデルを扱う。第3章では証券市場モデルの基本的要素について述べ,配当過程や二項モデルのような重要な概念を紹介している。第4章はフォワード取引や先物を含む派生商品にページを割いている。第5章では,消費と投資に関する最適化問題に焦点を当てている。
 近年,金利派生商品は非常に重要になってきており,第6章ではこれに焦点を当てている。キャップやスワップションといったな派生商品の評価に,離散時間金利モデルがどのように使われているかを説明している。そして最後の第7章では無限標本空間によるいくつかのモデルを概観している。抽象数学のほうに関心のある読者にとっては,この章がもっとも興味をそそるであろう。

目次

第1章 1期間証券市場
1.1 モデルの記述
1.2 裁定とその他の経済学的考察
1.3 リスク中立確率測度
1.4 条件付き請求権の評価
1.5 完備市場と非完備市場
1.6 リスクと収益率

第2章 1期間の消費と投資
2.1 最適ポートフォリオと実行可能性
2.2 リスク中立計算法
2.3 消費投資問題
2.4 平均-分散ポートフォリオ分析
2.5 空売り制約などがある場合のポートフォリオ管理
2.6 非完備市場における最適ポートフォリオ
2.7 均衡モデル

第3章 多期間証券市場
3.1 モデルの記述,フィルトレーションおよび確率過程
3.2 収益率過程と配当過程
3.3 条件付き期待値とマルチンゲール
3.4 経済学的考察
3.5 二項モデル
3.6 マルコフ・モデル

第4章 オプション,先物,その他の派生証券
4.1 条件付き請求権
4.2 二項モデル下でのヨーロピアン・オプション
4.3 アメリカン・オプション
4.4 完備市場と非完備市場
4.5 フォワード価格とキャッシュ・フロー評価
4.6 先物

第5章 最適消費投資問題
5.1 最適ポートフォリオと動的計画法
5.2 最適ポートフォリオとマルチンゲール法
5.3 消費投資と動的計画法
5.4 消費投資とマルチンゲール法
5.5 消費と最終時点の富からの最大効用
5.6 制約がある場合の最適ポートフォリオ
5.7 制約がある場合の最適消費投資 
5.8 非完備市場でのポートフォリオ最適化

第6章 債権・金利派生商品
6.1 基本的な期間構造モデル
6.2 格子とマルコフ連鎖モデル
6.3 イールドカーブ・モデル
6.4 フォワード・リスク調整確率測度
6.5 利付債と債権オプション
6.6 スワップとスワップション
6.7 キャップとフロア

第7章 無限標本空間モデル
7.1 有限期間モデル
7.2 無限期間モデル

付録A 線形計画法