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市場整合的ソルベンシー評価―金融リスクとアクチュアリアル・モデリング― 

書籍情報
ISBN978-4-320-09649-3
判型A5 
ページ数438ページ
発売予定2020年08月21日
本体価格12,000円
市場整合的ソルベンシー評価 書影
市場整合的ソルベンシー評価

新刊

ソルベンシーとは主として金融機関の支払能力,負債弁済能力のことをいい,保険会社が「通常の予測を超えたリスク」に対してどの程度自己資本や準備金などで支払い余力があるかを表す指標をソルベンシー・リスクという。このリスクを示すためのルールをソルベンシー規制といい,近年では欧州を中心に,Solvency II, Swiss solvency test (SST) などといった新しい規制の提案・移行も行われている。本書では,SSTの作成にもかかわり,この分野の第一人者である著者が,新ソルベンシー規制といった近年の保険業界での変革に合わせて,リスク管理のために必要な数学の技術や概念を解説する。なお邦訳に際し,一部を抄訳とする。

目次

第1章 序章
 1.1 トータル・バランスシート・アプローチ
 1.2 ソルベンシーにおける検討事項
 1.3 モデリングに関するさらなる問題
 1.4 本書の構成


第I部 金融商品評価の枠組み

第2章 状態価格デフレータと確率的割引計算
 2.1 割引債(ZCB)と金利の期間構造
  2.1.1 割引計算の動機
  2.1.2 スポット・レートと金利の期間構造
  2.1.3 イールド・カーブの推定
 2.2 離散時間確率モデル
  2.2.1 時刻0における評価
  2.2.2 状態価格デフレータの解釈
  2.2.3 時刻t > 0における評価
 2.3 同値マルチンゲール測度
  2.3.1 銀行勘定基準財
  2.3.2 マルチンゲール測度とアセット・プライシングの基本定理
 2.4 リスクの市場価格

第3章 スポット・レート・モデル
 3.1 正規分布を用いたスポット・レート・モデル
 3.2 1-ファクター正規アフィン期間構造モデル
 3.3 離散時間1-ファクターVasicekモデル
  3.3.1 時間の最小単位を1年とした場合
  3.3.2 時間の最小単位を1ヶ月とした場合
  3.3.3 1-ファクターVasicekモデルにおけるパラメータ推定

第4章 フォワード・レートとイールド・カーブの確率モデル

第5章 金融資産の価格付け
 5.1 キャッシュフローの価格付け
  5.1.1 Vasicekモデルにおける一般のキャッシュフローの評価
  5.1.2 デフォルト・リスクのある利付債券
 5.2 金融市場
  5.2.1 Vasicekモデルにおける対数正規分布の例
  5.2.2 ALMにおける最初の問題
 5.3 デリバティブの価格付け


第II部 保険負債の評価とソルベンシー

第6章 アクチュアリアル・モデリングと金融モデリング
 6.1 金融市場と金融フィルトレーション
 6.2 基礎アクチュアリアル・モデル
 6.3 改良型アクチュアリアル・モデル

第7章 バリュエーション・ポートフォリオ(VaPo)
 7.1 VaPoの構築
  7.1.1 金融ポートフォリオとキャッシュフロー
  7.1.2 VaPoの構築
  7.1.3 最良推定負債
 7.2 例
  7.2.1 生命保険における例
  7.2.2 損害保険における例
 7.3 CDRとALM
  7.3.1 CDR
  7.3.2 ヘッジ可能フィルトレーションとALM
  7.3.3 例
 7.4 近似VaPo

第8章 保険リスクから保護されたバリュエーション・ポートフォリオ(p-VaPo)
 8.1 p-VaPoの構築
 8.2 MVM
  8.2.1 リスク調整済保険負債
  8.2.2 リスク調整済保険負債に対するCDR
  8.2.3 Fortuin-Kasteleyn-Ginibre (FKG)不等式
  8.2.4 生命保険における例
  8.2.5 損害保険における例
  8.2.6 その他の確率ディストーションの例
 8.3 数値例
  8.3.1 損害保険のランオフ
  8.3.2 生命保険の例

第9章 ソルベンシー
 9.1 リスク尺度
  9.1.1 (条件付き)リスク尺度の定義
  9.1.2 リスク尺度の例
 9.2 ソルベンシーと許容可能性
  9.2.1 ソルベンシーと許容可能性の定義
  9.2.2 フリー・キャピタルとソルベンシーの用語
  9.2.3 インソルベンシー
 9.3 保険リスクがない場合
  9.3.1 理論的ALMとフリー・キャピタル
  9.3.2 一般の資産配分
  9.3.3 有限責任オプション
  9.3.4 マルグレーブ・オプション
  9.3.5 マルグレーブ・オプションのヘッジ
 9.4 保険リスクの考慮
  9.4.1 保険損失と金融損失
  9.4.2 理論的ALMとソルベンシー
  9.4.3 一般のALM問題と保険リスク
  9.4.4 資本コスト・ローディングと配当支払
  9.4.5 リスク分散と大数の法則
  9.4.6 Vasicekモデルの限界
 9.5 ポートフォリオの最適化
  9.5.1 標準偏差に基づく条件付きリスク尺度
  9.5.2 共分散行列の推定

第10章 いくつかの具体例
 10.1 極値分布とコピュラ
 10.2 パラメータの不確実性
  10.2.1 損害保険のランオフにおけるパラメータの不確実性
  10.2.2 長寿リスクのモデリング
 10.3 実務における資本コスト・ローディング
  10.3.1 概論
  10.3.2 資本コスト・ローディングの例
 10.4 ランオフ三角形の会計年度要素
  10.4.1 モデルの仮定
  10.4.2 予測分布
 10.5 新契約債務のモデリング
  10.5.1 通常クレームのモデル化
  10.5.2 大口クレームのモデル化
  10.5.3 再保険
 10.6 リスクの計測とソルベンシーのモデリング
  10.6.1 保険債務
  10.6.2 資産ポートフォリオと保険料収入
  10.6.3 コスト過程およびその他のリスク・ファクター
  10.6.4 会計条件と許容可能性
  10.6.5 ソルベンシー・トイ・モデルの数値例
 10.7 おわりに

訳者あとがき
参考文献
索引