線型代数学入門

書籍情報
ISBN978-4-320-11019-9
判型A5 
ページ数296ページ
発行年月2012年04月
価格2,750円(税込)
線型代数学入門 書影
線型代数学入門

 本書は初めて線形代数を学ぶ読者や整数から抽象代数への萌芽にふれる読者の理解の助けになるようにわかりやすく書かれたテキストである。
第1章,第2章,第3章は線型代数学の話題である。いきなり可換環や体という抽象概念を登場させると,それが理解のための障害になり理解が遅くなることを懸念して,とりあえず実数で理解しておけば,後で同様に一般論も理解できるようになることを鑑み,行列の成分は全て実数とし,スカラーは実数として進めている。行列式もいきなり一般論で与えるのではなく,1行1列の行列の行列式,2行2列の行列の行列式,3行3列の行列式を定義し,その性質や求め方を紹介した後で一般の正方行列の行列式の話を紹介する。段階を踏んでできるだけ理解が進むよう工夫した。もう少し抽象的な話,行列の成分が一般の可換環や体の元となるものを学ぶ際も,本書の実数と書いてあることを,可換環や体の元に置き換えれば実は十分である。
 第4章は付録として整数を題材として話(合同式,オイラーの定理,剰余類環など)を紹介した。第5章では,本書や他の数学の本を読むのに必要な簡単な集合に関しての用語や結果をまとめた。最後には加群,群,環,体の定義を紹介しておいた。

目次

第1章 行列
1.1 行列の定義
1.2 行列の和とスカラー倍
1.3 行列の積
1.4 正方行列
1.5 正則行列と逆行列
1.6 置換と正則行列
1.7 行の基本変形

第2章 行列式
2.1 1次の正方行列の行列式
2.2 2行2列の行列の行列式
2.3 3行3列の行列の行列式1
2.4 3行3列の行列の行列式2
2.5 nn 列の行列の行列式
2.6 置換を使った行列式の表現
2.7 転置行列の行列式
2.8 行列式の展開
2.9 行列式の計算
2.10 行列式の計算2
2.11 クラーメルの公式
2.12 固有値と固有ベクトル

第3章 ベクトル空間
3.1 ベクトル空間と部分空間
3.2 生成系,線型独立・従属,基底
3.3 次元公式
3.4 線型写像
3.5 線型写像と行列
3.6 線型写像の合成
3.7 線型写像の次元公式
3.8 双対空間と双対線型写像
3.9 線型写像の階数と行列の階数
3.10 行列の階数の計算
3.11 連立一次方程式

第4章 付録(整数の代数)
4.1 約数と倍数
4.2 合同式
4.3 剰余類環Z/mZ

第5章 付録(集合)
5.1 集合
5.2 和集合,共通部分,直積集合
5.3 写像
5.4 加群,環,可換環,体