点過程の時系列解析

書籍情報
シリーズ名統計学One Point 【14】巻
ISBN978-4-320-11265-0
判型A5 
ページ数168ページ
発売日2019年06月12日
本体価格2,200円
点過程の時系列解析 書影
点過程の時系列解析

新刊

 本書は点過程の時系列解析についての入門書である。
 点過程の時系列とは,データがある着目するイベントの発生時刻の集合として特徴付けられるようなタイプの時系列である。実世界の様々な現象が点過程として表現することができ,例えば自然現象としては,地震,神経細胞のスパイク発火,遺伝子発現などが考えられる。さらに近年,人間の社会行動に関する様々な大規模データが蓄積され,それが利用可能になってきたことを背景として,金融取引,保険事故,人々のコミュニケーション,SNS上でのユーザーの活動等のデータを解析するために,点過程が用いられることが増えており,点過程の応用範囲は急速に拡大している。
 本書では,このように重要性がますます増している点過程の時系列解析について,基礎的な理論から実データ解析までを体系的に解説し,点過程の時系列に関するデータ解析手法や,最近の論文を読む上での基礎知識を習得することを目的としている。確率・統計の基礎を習得している読者を想定しているが,本書で必要となる事項についてはできるだけ本書内で述べ,理論についてもできるだけ初等的な計算を用いるよう心掛けている。

目次

第1章 はじめに
1.1 点過程の時系列解析
1.2 確率の基礎
  1.2.1 離散確率分布
  1.2.2 連続確率分布
  1.2.3 多変数の確率分布
  1.2.4 確率変数の変数変換
  1.2.5 条件付き期待値と繰り返し期待値の法則
  1.2.6 モーメント母関数
  1.2.7 ラプラス変換

第2章 ポアソン過程
2.1 定常ポアソン過程
  2.1.1 確率密度関数
  2.1.2 イベント数の分布
  2.1.3 イベント数が与えられたときの条件付き確率密度関数
  2.1.4 イベント間間隔・待ち時間の分布
2.2 非定常ポアソン過程
  2.2.1 確率密度関数
  2.2.2 定常ポアソン過程との関係:時間変換定理
  2.2.3 イベント数の分布
  2.2.4 イベント間間隔・待ち時間の分布

第3章 点過程の一般論
3.1 条件付き強度関数
3.2 確率密度関数
3.3 時間変換定理
3.4 定常な点過程

第4章 更新過程
4.1 R+上の更新過程
  4.1.1 確率密度関数
  4.1.2 イベント数の分布
  4.1.3 条件付き強度関数
  4.1.4 待ち時間の分布
  4.1.5 更新過程に用いられる確率分布
4.2 R上の定常更新過程
  4.2.1 平均強度関数
  4.2.2 イベント数の分布
  4.2.3 確率密度関数
  4.2.4 条件付き強度関数
  4.2.5 待ち時間の分布
4.3 更新過程を特徴付ける指標
  4.3.1 イベント間間隔の変動係数
  4.3.2 イベント数のFano因子
4.4 非定常更新過程
  4.4.1 確率密度関数
  4.4.2 イベント数の分布
  4.4.3 イベント間間隔の分布
  4.4.4 条件付き強度関数
付録4.A 証明
付録4.B ハザード関数,生存関数および待ち時間の分布の関係

第5章 Hawkes過程
5.1 確率密度関数
5.2 定常性(1)
5.3 定常性(2)
5.4 分枝過程としてのHawkes過程
  5.4.1 時間構造のない分枝過程
  5.4.2 時間構造を取り入れた分枝過程
5.5 イベント数の分布

第6章 マーク付き点過程
6.1 マーク付き点過程の性質
  6.1.1 条件付き強度関数
  6.1.2 確率密度関数
  6.1.3 イベントの発生時刻が与えられたときのマークの条件付き分布
6.2 複合点過程
  6.2.1 複合点過程のモーメント
  6.2.2 複合ポアソン過程の合成と分解
6.3 Hawkes過程のマーク付き点過程への拡張
  6.3.1 イベント毎に影響力の異なるモデル
  6.3.2 時空間モデル
  6.3.3 多次元モデル

第7章 点過程のシミュレーション
7.1 乱数の生成
  7.1.1 逆変換法
  7.1.2 棄却法
  7.1.3 各種の確率分布に従う乱数の生成方法
7.2 ポアソン過程のシミュレーション
  7.2.1 定常ポアソン過程
  7.2.2 非定常ポアソン過程
7.3 更新過程のシミュレーション
7.4 Hawkes過程のシミュレーション

第8章 点過程の統計推定と診断解析
8.1 最尤法
  8.1.1 最尤法と標準誤差
  8.1.2 数値計算を用いた最尤推定
  8.1.3 赤池情報量規準によるモデル選択
8.2 診断解析
付録8.A 数値最適化の手法
付録8.B 対数尤度関数とその勾配の計算

参考文献
索  引