統計的不偏推定論

書籍情報
シリーズ名統計学One Point 【17】巻
ISBN978-4-320-11268-1
判型A5 
ページ数224ページ
発売予定2019年12月26日
本体価格2,300円
統計的不偏推定論 書影
統計的不偏推定論

新刊

 本書はデータサイエンスの基盤として重要な統計学の理論的基礎である不偏推定に焦点を当てて書かれている。特に,系統的に最良推定量を得るための手法について詳述し,得られた最良推定量が付表として記載されていて便利であり,実際,統計学を応用するときのハンドブック的役割も果たすであろう。
 本書は統計学入門を経て,さらに推定論を極めるのに有用であり,和書にはほとんど類書はなく,例も多用して自学できるように配慮されている。本書では不偏性の定義として平均不偏性,中央値不偏性,モード不偏性等が挙げられ,主として平均不偏性をもつ推定量全体のクラスでの最良性について論じているが,中央値不偏性をもつ推定量全体のクラスでの有効性についても論じ,その漸近理論への掛橋についても言及している。また,十分性の概念や情報量の観点からも論じているので,前提条件の下でデータのもつ情報の意味が明確になるであろう。さらに,切断分布族の切断母数の推定問題についても論じていて,その結果は統計学の応用において適切な指針を示唆してくれるであろう。具体的な例として,正規分布,指数分布,切断指数分布,ガンマ分布,一様分布,逆ガウス分布,パレート分布,上側切断パレート分布,極値分布,ワイブル分布,ベルヌーイ分布,ポアソン分布等のおける母数の推定問題が扱われている。
 本書で用いた手法は不偏推定論のみならず,他の理論においても有用であろう。

目次

第1章 点推定
1.1 推定量
1.2 推定法
  1.2.1 モーメント法
  1.2.2 最尤法
  1.2.3 ベイズ法
1.3 不偏性の概念と偏り補正
  1.3.1 平均不偏性
  1.3.2 リスク不偏性
  1.3.3 モード不偏性
1.4 十分統計量
1.5 補助統計量と完備性

第2章 最良不偏推定
2.1 十分統計量に基づく最良不偏推定
2.2 情報不等式1母数の場合
2.3 情報不等式多母数の場合
2.4 情報不等式の精密化
2.5 非正則な場合の情報不等式
2.6 中央値不偏推定量の集中確率の上界と有効性

第3章 不偏推定量の構成
3.1 単純な偏り補正法
3.2 ジャックナイフ法とブートストラップ法
3.3 条件付化法
3.4 密度と分布に関する不偏推定
3.5 関数和が完備十分統計量の場合の不偏推定

第4章 不偏性による方程式に基づく推定
4.1 不偏性による方程式
4.2 片側切断分布族の切断母数の関数の不偏推定
4.3 両側切断分布族の切断母数の関数の不偏推定
4.4 切断指数型分布族の切断母数の関数の不偏推定
4.5 指数型分布族の自然母数の関数の不偏推定

付録
A.1 線形モデルの不偏推定
A.2 漸近理論
  A.2.1 近似法則
  A.2.2 一致推定量
  A.2.3 漸近不偏性と極限不偏性
  A.2.4 最良漸近正規性
  A.2.5 漸近中央値不偏性と漸近有効性
A.3 付表

参考書籍
問題略解
例の索引
索  引