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多重比較法の理論と数値計算

書籍情報
ISBN978-4-320-11332-9
判型A5 
ページ数328ページ
発行年月2018年04月
本体価格4,300円
多重比較法の理論と数値計算 書影
多重比較法の理論と数値計算

 近年,統計学の入門書に,多重比較法が載せられることが多くなってきている。通常よく使われる多群モデルの分散分析法では,平均の一様性の帰無仮説の検定が行われ,帰無仮説が棄却されても,どの群とどの群に平均の違いがあるか判定できない。このため分散分析法はものたらない統計手法となっている。これに対し,多重比較検定はどの群とどの群に違いがあるか判定ができる。多重比較法の1つである平均母数の同時信頼区間は1次元の区間で与えるため,平均の違いを明示できる。これにより,医学,薬学,生物学,心理学の分野では,多重比較法が必修の統計教育内容となっている。さらにこれらの分野の論文誌において,データ解析を多重比較法で行うことを要求されることがしばしばある。
 本書では,テューキー・クレーマー法,ダネット法,ゲイムス・ハウエル法などのよく知られた多重比較法について紹介し,これらの手法を優越する多重比較法について述べ,その優越性の数学的証明を与えている。いくつかの(金融)商品価格の変動の違いを解析することが可能な分散の多重比較法についても記述している。薬の増量や毒性物質の暴露量の増加により母平均に順序制約を入れることができることが多い。一般に,順序制約のあるモデルで考案された統計手法は,順序制約のないモデルで考案された統計手法を大きく優越する。平均に順序制約のある統計モデルでの多重比較法についても詳細に論述している。さらに,手法のデータ解析例もいれられている。最後の章に多重比較法を実行するために必要な統計量の分布の上側100αパーセント点を求める精度のよい数値計算法を述べている。付録に,これらの上側100αパーセント点を計算するC言語によるソースプログラムを(著者のwebsiteから)入手する方法が書かれている。多重比較法を学習する者や実務家はこれらのソースプログラムを活用することができる。

目次

第1章 手法の紹介による進化の過程
1.1 正規分布モデルにおけるパラメトリック多重比較法
1.2 ノンパラメトリック法
1.3 手法を実行するために導入された分布の上側100α%点

第2章 すべての平均相違に関する多重比較法
2.1 分散が同一である正規分布モデルでの手法
2.2 分散が同一とは限らない正規分布モデルでの手法
2.3 ノンパラメトリック法

第3章 対照群の平均との相違に関する多重比較法
3.1 正規分布モデルでのシングルステップ法
3.2 シングルステップのノンパラメトリック法
3.3 閉検定手順
3.4 データ解析例

第4章 正規分布モデルでの分散の多重比較法
4.1 ボンフェローニ(Bonferroni)の方法とホルム(Holm)の方法
4.2 モデルの設定と統計量の基本的性質
4.3 すべての分散相違
4.4 対照群の分散との比較
4.5 すべての分散の比較
4.6 データ解析例

第5章 平均母数に順序制約がある場合の多重比較法
5.1 モデルと傾向性制約での極値
5.2 一様性の帰無仮説の検定と点推定
5.3 すべての平均相違の多重比較法
5.4 隣接した平均母数の相違に関する多重比較法
5.5 対照群との多重比較検定法
5.6 サイズが不揃いの場合の多重比較検定法
5.7 平均母数が減少列の順序制約がある場合

第6章 検出力の比較
6.1 すべての平均相違に対する手法の比較
6.2 分散が同一とは限らない場合の手法の比較
6.3 順序制約の下でのすべての平均相違に対する手法の比較

第7章 順序制約のある場合に使用された統計量の分布の数値計算法
7.1 関数族Gとsinc近似
7.2 最大値統計量の分布関数の性質
7.3 最大値統計量の分布関数と上側100α%点の計算法
7.4 階層確率(Level Probability)の計算

付録 統計量の分布の上側100α%点を求めるログラムと数表
A.1 上側100α%点の数値計算プログラム
A.2 階層確率の数値計算プログラム
A.3 付表