時空間統計解析

書籍情報
シリーズ名理論統計学教程 従属性の統計理論 
ISBN978-4-320-11352-7
判型A5 
ページ数268ページ
発売日2019年05月14日
本体価格3,800円
時空間統計解析 書影
時空間統計解析

新刊

 時空間統計解析とは,データに内在する時空間的相互作用を明確に考慮した統計モデルを構築し,このモデルに基づいてデータの時空間的変動メカニズムを明らかにする統計解析を意味する。統計科学諸分野は近年新たな発展を遂げているが,その中でも時空間統計解析は最も注目を浴びているテーマの一つである。応用分野は地球温暖化,地震や津波の発生,感染性疾病の伝播,植生・生態の変化,経済活動の国際化,都市の集積メカニズムなど,自然科学から人文・社会科学に至るまで広範囲にわたり,その意味で時空間統計解析は「究極の統計科学」ともいえる。
 本書では,時空間統計解析で用いられる様々なモデルの性質および推測理論など,時空間統計解析に関する一連の理論を解説し,それらを理解するために必要な数学的補論,さらには簡潔な参考文献ガイドおよび補足も付した。説明は数学的な厳密性を犠牲にせず平易に行う。これにより,いっそうの理解が期待できる。
 欧米では時空間統計解析に関する書籍がすでに発刊されているが,国内において時空間データに対する確率モデル,それに対する統計的推測理論を,理論的に厳密に解説した書籍は本書が最初である。一冊を通して時空間統計解析への入門,基礎,そして展開までを概観できる待望の邦書である。

目次

序文

第1章 序論
1.1 時空間統計解析について
1.2 時空間データの数学的表現
1.3 データの種類
1.4 次章以降の構成

第2章 定常確率場の定義と表現
2.1 定常確率場の定義
2.2 自己共分散関数のスペクトル表現
2.3 定常確率場のスペクトル表現

第3章 定常確率場に対するモデル
3.1 定常確率場自身に対するモデル
3.2 自己共分散関数・スペクトル密度関数に対するモデル(1) 等方型・分離型モデル
3.3 自己共分散関数・スペクトル密度関数に対するモデル(2) 非等方型・非分離型モデル
  3.3.1 はじめに
  3.3.2 自己共分散関数
  3.3.3 確率偏微分方程式
  3.3.4 スペクトル密度関数
  3.3.5 混合法
  3.3.6 自己共分散関数の線形結合

第4章 定常確率場の推測理論
4.1 サンプリング方法の定式化
4.2 混合条件
4.3 自己共分散関数の推定
  4.3.1 等間隔・増加領域漸近論
  4.3.2 不等間隔・増加領域漸近論
4.4 パラメトリックモデルの推定
  4.4.1 推定量と端効果
  4.4.2 ティパー型ピリオドグラム
  4.4.3 等間隔・増加領域の場合のパラメータ推定
  4.4.4 その他の漸近理論
4.5 モデルの検定
4.6 補題とその証明

第5章 時空間データの予測
5.1 最良線形予測量
5.2 最良線形不偏予測量
5.3 ブロック・クリギング
5.4 共分散ティパリング

第6章 点過程論
6.1 点過程の歴史的背景と研究事例
6.2 点過程
6.3 強度測度
6.4 Poisson点過程とNeyman-Scottクラスター点過程
  6.4.1 Poisson点過程
  6.4.2 Neyman-Scottクラスター点過程
6.5 Palm理論とPalm型最尤法
  6.5.1 Palm強度
  6.5.2 Palm強度とRipleyのK-関数
  6.5.3 Palm型最尤法

第7章 地域データに対するモデル
7.1 空間自己回帰モデルと条件付き自己回帰モデル
7.2 隣接行列により表現されたSARおよびCARモデルの性質
7.3 SARモデルの推定
7.4 時空間地域モデル
7.5 補題

第8章 非定常モデル
8.1 固有定常確率場
8.2 バリオグラムに対する推測理論
8.3 たたみ込み法

第9章 数学的補論
9.1 測度論・確率論
9.2 線形空間
9.3 Fourier変換

参考文献ガイドおよび補足

参考文献

索引