計算機代数の基礎理論

書籍情報
ISBN978-4-320-11373-2
判型A5 
ページ数248ページ
発売日2019年03月29日
本体価格3,200円
計算機代数の基礎理論 書影
計算機代数の基礎理論

新刊

 計算機代数とは,「方程式を解きたい!」という構成的代数学と,「計算機に解かせたい!」という計算機科学の融合によって生まれた,代数的算法の設計,解析,実装から応用までを行う分野である。計算機の発達と普及,そして進化に伴って,様々な分野において必須のツールとなってきており,また,MathematicaやMapleといった数式処理ソフトウェアの根幹をなしている。
 本書は,最大公約因子計算,因数分解,実数根の分離などにおいて国内での第一人者またはそれに準ずる研究者が,計算機代数の基礎理論を,最新の研究成果を含めて詳説する。計算機代数の研究対象は幅広いが,本書では特に,高等学校で習うユークリッドの互除法や多項式の因数分解など,比較的身近な問題のみを取り扱う。計算機代数に関して知りたい読者にとって,格好の1冊となろう。

目次

第1章 序章
1.1 計算機代数とは
1.2 数式処理システムと計算機代数
1.3 読み進め方と記法について

第2章 アルゴリズムとその評価
2.1 発見的方法からアルゴリズムへ
2.2 計算量とアルゴリズムの評価
2.3 確率的アルゴリズムとミラー・ラビン素数判定法
2.4 多項式の加減乗除算と行列式の計算量

第3章 最大公約因子
3.1 最大公約元・最大公約因子
3.2 ユークリッドの互除法と剰余列
3.3 拡張ユークリッドの互除法
3.4 モジュラー法による効率化
3.5 無平方分解

第4章 終結式とその応用
4.1 はじめに
4.2 終結式と共通零点
4.3 部分終結式と最大公約因子

第5章 有限体上の因数分解
5.1 有限体上の多項式
5.2 バールカンプアルゴリズム
5.3 因子次数分離分解・同次因子分離分解と効率化

第6章 一意分解整域上の因数分解
6.1 ヘンゼル構成
6.2 試し割りに基づくアルゴリズム
6.3 多項式時間アルゴリズムと効率化

第7章 代数方程式の根とその計算法
7.1 実根と符号変化の数
7.2 スツルム列による実根の数え上げ
7.3 スツルム・ハビッチ列による実根の数え上げ
7.4 ブダン・フーリエの定理とデカルトの符号律

第8章 計算機代数の世界
8.1 基本演算
8.2 多変数多項式や拡大体への拡張
8.3 グレブナー基底とその周辺
8.4 実閉体上の限量子消去
8.5 数値・数式融合計算
8.6 無限級数・冪級数演算とその応用例

付録 代数の基礎
A.1 群・環・体について
A.2 剰余環と有限体について
A.3 多項式環とその性質