工学系のための最適設計法―機械学習を活用した理論と実践― 

書籍情報
ISBN978-4-320-11441-8
判型A5 
ページ数292ページ
発売予定2021年05月18日
価格3,850円(税込)
工学系のための最適設計法 書影
工学系のための最適設計法

新刊

 本書は,工学系の学部生・大学院生やエンジニアを対象に,最適化手法や最適設計法およびその応用事例をわかりやすく解説した書籍である。
 最適設計の基礎用語や定式化からはじまり,非線形計画法の代表的な手法について,アルゴリズムを理解するため,手計算程度でできる例を交えて解説している。多目的最適化では,基礎となる考え方や用語、各手法の特徴,トレードオフ分析などについて,数理的な側面から例題をまじえて丁寧に解説している。また,大域的最適化や応答曲面を用いた逐次近似最適化についても例を交え,解説している。特に,逐次近似最適化を用いた最適設計法は,近年のコンピュータシミュレーションを活用した最適設計を進める上で,非常に重要な役割をしており,細かなパラメータの設定や計算上の注意点について詳述し,VBAによるサンプルコードも部分的に記載している。
 機械学習を活用した最適設計法の応用事例として,ものづくり分野の中でも特に,薄板成形とプラスチック射出成形を対象に,シミュレーションと検証実験結果も含んだ多くの事例が紹介している。逐次近似最適化を中心とした各種最適化の関係性が体系的に整理され,「機械学習を活用した最適設計法」の入門的な内容から応用事例まで幅広くカバーされており,学生や研究者,エンジニアにとって最適設計法の理論と応用を理解するために最適な一冊である。

目次

第1章 機械学習と最適設計
1.1 ある研究会で
1.2 設計の流れと最適設計の活用
1.3 設計の流れにおける機械学習の活用
1.4 応答曲面・モデリングと機械学習
1.5 機械学習を活用した最適設計法
1.6 本書の構成

第2章 最適設計の基礎
2.1 満足化設計と最適設計の違い
2.2 設計変数
2.3 制約条件
2.4 目的関数
2.5 最適設計の定式化
2.6 最適解
2.7 最適化手法
2.8 凸関数と最適解
2.9 アクティブな制約条件とKuhn-Tucker条件

第3章 非線形計画法
3.1 降下法の考え方
3.2 最急降下法
3.3 ニュートン法
3.4 準ニュートン法
3.5 一次元探索
 3.5.1 囲い込み
 3.5.2 逐次二分割法
 3.5.3 黄金分割法
3.6 ペナルティ法
 3.6.1 外点法
 3.6.2 内点法
 3.6.3 精密ペナルティ法
3.7 勾配射影法
3.8 逐次二次計画法

第4章 多目的最適化
4.1 多目的最適化の考え方
4.2 多目的最適化問題とパレート最適解
4.3 最適性の条件
4.4 理想点・最悪点・ペイオフ行列
4.5 パレート最適解を求める方法
 4.5.1 スカラー化法
 4.5.2 対話型手法
4.6 トレードオフ分析
 4.6.1 トレードオフ比
 4.6.2 自動トレードオフ法
 4.6.3 トレードオフ比の計算法とトレードオフ行列
4.7 妥協点とその求解
4.8 例題によるパレート最適値の探索
4.9 例題によるトレードオフ行列および妥協解

第5章 大域的最適化
5.1 勾配ベクトルを利用する方法
 5.1.1 トンネリング・アルゴリズム
 5.1.2 一般化ランダム・トンネリング・アルゴリズム
5.2 メタヒューリスティクス
 5.2.1 シミュレーテッド・アニーリング
 5.2.2 Particle Swarm Optimization
 5.2.3 Differential Evolution
5.3 ベンチマーク問題

第6章 応答曲面と逐次近似最適化
6.1 応答曲面
6.2 応答曲面の注意事項
6.3 逐次近似最適化
6.4 Radial Basis Functionネットワーク
6.5 Least Squares Support Vector Machine
6.6 応答曲面の精度
 6.6.1 大域的な精度の検討方法
 6.6.2 局所的な精度の検討方法
6.7 ガウス関数の半径
 6.7.1 サンプル点間の疎密を考慮した目安の式
6.8 RBFネットワークによる追加サンプル点のための関数
 6.8.1 密度関数
 6.8.2 パレート適合関数
6.9 数値計算上のいくつかの注意
 6.9.1 サンプルコードの概要
 6.9.2 適応的スケーリング
 6.9.3 出力のスケーリング
(コラム)時系列データの短期予測

第7章 機械学習を活用した最適設計法の実践に向けて
7.1 最適設計の心得
7.2 逐次近似最適化を中心とした関係
7.3 解析・設計と最適設計
7.4 成形加工分野におけるシミュレーションと最適設計
7.5 逐次近似最適化を用いた最適設計の実践
7.6 多目的最適化からのアプローチ

第8章 薄板成形における可変ブランクホルダー力の最適軌道設計
8.1 Formability Windowと可変ブランクホルダー力
8.2 薄板成形シミュレーションモデル構築の主な注意事項
 8.2.1 全般的な注意点
 8.2.2 有限要素解析モデルの主なチェック事項
 8.2.3 成形限界線図とその見方
 8.2.4 成形限界線図を用いたしわと割れの評価方法
8.3 可変ブランクホルダー力の最適軌道設計
 8.3.1 U 字曲げ加工におけるスプリングバック抑制
 8.3.2 角筒深絞り加工
8.4 可変ブランクホルダー力とブランク形状の最適化
 8.4.1 角筒深絞り加工
 8.4.2 計測用トレイによる実践
 8.4.3 分割ブランクホルダー力による成形加工
8.5 可変スライド速度と可変ブランクホルダー力の最適化
8.6 「現場・現物最適化」の試み
 8.6.1 U字曲げ加工におけるスプリングバック抑制
 8.6.2 可変ブランクホルダー力とスライド速度の最適軌道設計

第9章 プラスチック射出成形におけるプロセスパラメータの最適化
9.1 プラスチック射出成形の流れとプロセスパラメータ
9.2 代表的な成形不良と三次元冷却水管経路
9.3 反りの抑制
 9.3.1 可変保圧力プロファイルによる射出成形
 9.3.2 三次元冷却水管経路の利用
9.4 ウェルドラインの抑制
 9.4.1 型締力を考慮した最適設計
 9.4.2 可変射出速度による射出成形法
 9.4.3 型温加熱冷却成形

付録 サンプルコード
参考・引用文献
索引