組合せ論の発見―古代から現代へ― 

書籍情報
ISBN978-4-320-11455-5
判型菊 
ページ数446ページ
発売日2021年06月24日
価格6,380円(税込)
組合せ論の発見 書影
組合せ論の発見

新刊

組合せ論は,離散数学の一分野であり,その初歩は高校段階で習うような易しい概念から出発しているにもかかわらず,その広がりは多様で,歴史的経緯にもその面白さが随所に感じられる。本書は,古代から現代への,組合せ論の発展の歴史的背景を詳細に解説した,世界で初めての書である。

まず初めに,2000年にわたる組合せ論の流れを概観する。次に,古代におけるインド,中国,イスラム世界,ユダヤ世界,そしてヨーロッパの組合せ論の黎明を解説する。その後,西欧近代の数学史の流れの中で組合せ論が広々と展開する光景を描いていく。最後に,組合せ論の近年の発展,ならびに今後の展望を手短に述べる。

それぞれの章を,世界的に名の知られた一流の著者たちが担当している。また,時間軸としては約2000年の年月を扱いながらも,コンパクトさを保っている。数学史や科学史の研究者のみならず,組合せ論に携わる多くの人々にとって読んでおきたい書と言える。

[原著名:Combinatorics: Ancient & Modern]

目次

第I部 導入

組合せ論の二千年 (ドナルド・E・クヌース 著)
易経
インドの韻律学
一方,ヨーロッパでは
初期の順列一覧表
関孝和の一覧表
組合せの一覧表
サイコロ投げ
ラモン・リュイ
タッケ,ファン・スホーテン,イスキエルド
空集合の場合
ナーラーヤナの著作
並べ替え可能な韻文
集合の分割
整数の分割
ヒンデンブルクの誇大広告
どこに木があったのか?
1950年以降


第II部 古代の組合せ論

第1章 インドの組合せ論 (楠葉隆徳,キム・プロフカー 著)
古代の資料における組合せと順列
韻律学
他のśāstraの中の組合せ的規則
数学のテキストにおける組合せ論の融合
ナーラーヤナ・パンディタの組合せ論的な解説

第2章 中国 (アンドレア・ブレアール 著)
組合せ論的な実践
陳厚耀の原稿
算術三角形
李善蘭

第3章 イスラム世界の組合せ論 (アフメド・ジェバール 著)
導入
12世紀以前の実践的な組合せ論
天文学における組合せ的手法
代数における組合せ論的手法
東洋の組合せ論
マグレブにおける組合せ論:イブン・ムンイム
マグレブにおける組合せ論:イブン・バンナー
組合せ論の結果の応用
結論

第4章 ユダヤの組合せ論 (ヴィクター・J・カッツ 著)
導入
『形成の書』
アブラハム・イブン・エズラ
レヴィ・ベン・ゲルソン

第5章 ルネッサンス期の組合せ論 (エベルハルト・クノブロッホ 著)
中世の片影
イタリアでの始まり
イタリア国外で
クリストファー・クラヴィウス
マラン・メルセンヌ
アタナシウス・キルヒャー
リュイ主義者:イスキエルド,カラムエルとクニッテル
フランスとベルギーの寄与
オランダとイギリスの寄与

第6章 現代の組合せ論の起源 (エベルハルト・クノブロッホ 著)
ピエール・ド・フェルマーとブレーズ・パスカル
ゴットフリート・ライプニッツ
フレニクル・ド・ベシー
対称関数,分割,行列式
ヤコブ・ベルヌーイ
ピエール・ド・モンモールとアブラアム・ド・モアブル
ジェームズ・スターリング

第7章 算術三角形 (A・W・F・エドワーズ 著)
順列と組合せ
インドにおける組合せ数
パスカル以前の西欧における組合せ数
パスカルの『算術三角形概論』
ド・モンモールとヤコブ・ベルヌーイ
二項から多項へ


第III部 現代の組合せ論

第8章 初期のグラフ理論 (ロビン・ウィルソン 著)
ケーニヒスベルクの橋の問題
図形なぞりパズル
ハミルトングラフ
オイラーの多面体公式
木(ツリー)
四色問題

第9章 分割 (ジョージ・E・アンドリュース 著)
導入
オイラーと母関数
シルベスターと分割の本質的研究
他の数学的対象を表現する分割
漸近性
ロジャーズ-ラマヌジャン恒等式
他のタイプの分割
歴史案内

第10章 ブロックデザイン (ノーマン・ビッグス,ロビン・ウィルソン 著)
トリプルシステム
カークマンの1847年の論文
スタイナーの貢献
カークマンの女子学生問題
シルベスターの貢献
射影平面
2-デザイン
t-デザイン,t ≥ 3のとき

第11章 ラテン方陣 (ラース・デブリング・アンデルセン 著)
導入
オイラーとラテン方陣
互いに直交するラテン方陣(MOLS)
MOLSと射影平面
実験計画法からの影響
その他の結果
数独

第12章 数え上げ(18世紀-20世紀) (E・キース・ロイド 著)
導入
数え上げと代数的展開
木に関するケイリーとジョルダンの業績
パーシー・マクマホン少佐
J・ハワード・レッドフィールド――驚くべき博識者
ポリアの仕事
後年の仕事

第13章 組合せ論的集合論 (イアン・アンダーソン 著)
導入
包除原理
鳩の巣原理とラムゼイの定理
配列
トランスバーサル
スペルナーの定理
エルデシュ-コ-ラドの定理とクラスカル-カトーナの定理

第14章 現代のグラフ理論 (ローウェル・バイネケ,ロビン・ウィルソン 著)
平面的グラフ
四色定理
より種数の高い曲面
その他の彩色問題
マッチングと分解
連結度
アルゴリズム的グラフ理論

第IV部 余波

組合せ論への個人的見解 (ピーター・J・キャメロン 著)
導入
計算機の影響
主題の性質
関連性
科学において,社会において