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ワイン用 葡萄品種大事典 ワインの女王,ジャンシス・ロビンソンがその右腕ジュリア・ハーディング,DNA解析の専門家ホセ・ヴィアモーズと集大成した画期的名著!初の翻訳
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刊行のことば

後藤奈美(酒類総合研究所 理事長)/北山雅彦・北山 薫

ブドウ, 知ればワインがみえてくる 大地と人のアート, ブドウからワインへ

ブドウ,知ればワインがみえてくる
ー 大地と人のアート,ブドウからワインへ ー

著者のJancis Robinson氏はワイン評論家としてワインテイスティングの重要性を認めながらも,ブドウ品種,栽培と醸造にも深い造詣をお持ちでこれらの重要性を常々強調しておられる。彼女にはワイン用ブドウ品種に関するいくつかの著書があるが,本書はその集大成とも言える。様々な別名で栽培されている品種を遺伝子配列に基づき相互に関連づけることで主要品種1,368品種をまとめ植物学的性質やワインの特徴について本書で述べている。2010年時点でのデータによれば世界48ヵ国,約640のブドウ栽培地域で栽培される遺伝的に異なる約1,500種類のブドウ品種から世界のワインの99%が作られているそうである。本書は主要品種のほぼ全てをカバーしていることになる。

1960年代頃までは世界市場に輸出されるワインの80-90%はフランス(フィロキセラ被害時代にフランスの植民地であったアルジェリアで作られたワインを含む),イタリア,スペインの3ヵ国で作られていた。現在ではEU全域から輸出されるワインの占有率は約50%前後まで低下した。他方,オーストラリア,チリ,アメリカ合衆国などのワイン生産の新興国から輸出されるいわゆる新世界ワインの割合は次第に増加し40%に迫る勢いである。

新世界ワインはいずれも国際品種と称されるヨーロッパですでに高い評価を得ていた有名な品種から作られている。フランス,ボルドーの赤の公認品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローがカリフォルニア州やチリで新たな成功を収めたことで,これら2品種の栽培面積は1990年の世界8位と7位から,2010年にはそれぞれ1位と2位に躍進した。かつてワインの生産国名,原産地呼称名あるいはシャトーやクリュの名前がワインにとってブランドであったが,こうしたブランド力をもたない新世界ワインはブドウの品種名を強調することで活路を見いだした。栽培地の気候や土壌の特徴を最大限生かし,さらに醸造家の情熱やワイン作りに対する考え方をブドウ品種と組み合わせることで,はじめて優れた芸術品としての個性的なワインができる。同じカベルネ・ソーヴィニヨンを用いてもカリフォルニア州とボルドーのワインでは特徴が非常に異なっている。

世界的にみれば栽培される品種の多様性はしだいに失われつつある。1,368品種の中でも特に多く栽培されている品種は国際品種を中心とした40前後である。国際品種に畑を譲り栽培面積が縮小し絶滅の危機におちいる在来品種が増えている。しかし,こうした風潮に危機感を抱く生産者の間で,在来品種を見直そうという取組が各地で広まっており,この本にも「絶滅の危機から救済された」と紹介されている品種が多くある。クロアチアの地方品種TRIBIDRAGもそんな品種の一つであったが,カリフォルニア州で成功を収めていたジンファンデルと同じ品種であることが遺伝子解析によって明らかになったことで息を吹き返した。また,日本ではほとんど知られていないが,バルカン半島で,エーゲ海の島々で,また東ヨーロッパの国々で地域に根差し,親しまれてきた品種もたくさん紹介されている。

私たちにより身近な食品,例えばうどんに置き換えてみるとわかりやすいかもしれない。ミシュランのレストランガイドで掲載されているうどん屋さんのうどんは,ワインに例えるならジャーナリズムで脚光をあび高得点を得ているワインであろう。全国チェーン展開するうどん屋さんのうどんも確かに美味しい。しかしミシュランガイドで高く評価されたうどんよりも小さな町の一軒家のお気に入りのうどん,というものを皆さんそれぞれお持ちではないだろうか。ワインもしかり。私たちの嗜好は多様である。本書で多様なブドウ品種を概観され,興味を感じたワインをぜひお試しいただき,自分だけのお気に入りの品種やワインを見つけていただければ幸いである。耳慣れないブドウ品種からわずかな量だけつくられているワインの中にもあなたにとって特別のワインがきっと見つかるはずである。

2019年6月 

ワイン用 葡萄品種大事典
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推薦のことば

一般社団法人 日本ソムリエ協会 会長 田崎真也ソムリエ界のバイブル的名著! 翻訳版

   ソムリエは,ワインを料理との相性,温度,器,デキャンティングなど適正な方法でサービスを行う職業です。そのために,多くのワインをテイスティングして,その特徴を記憶します。

   ソムリエコンクールでは,その記憶が確かなものであるかどうかを確認するために,ブラインドテイスティングが課題のひとつとなっていることからも,重要なプロセスなのです。

   そして,ワインをテイスティングし,それらを記憶しながら整理して行く上で最も欠かせないのが,それぞれの品種の個性を探り,識ることなのです。

   このWine Grapesには,1,368種のブドウ品種の起源や特徴が紹介されており,正に世界中のソムリエにとってのバイブルとなる名著です。さらに,DNA多型解析による甲州種の分類に関する研究発表でも知られる独立行政法人酒類総合研究所 理事長の後藤奈美氏が監訳されたことで,日本のソムリエ,ワインラバーにとって,間違いなく必須アイテムとなる品種事典です。

区切りとしてのぶどう画像

マスター・オブ・ワイン(MW)大橋健一ワイン選びの道しるべ―
品種情報を集約した ワイン市場必備の宝典

   世界のワイン市場では,現在「品種でワインを選ぶ」という手法が,より消費者に優しいものとして定着してきている。要するにワインを熟知しない消費者にとって,ある意味「品種」という要素はワイン選びの道しるべになっているのである。

   しかし一方で,ワインにおけるこの「品種」という要素は,ワイン専門家,そしてワイン業界関係者にとっても多大の興味を注ぐ対象となる巨大なテーマとして存在し続けている。そしてこの「品種」というテーマが現在まで深く研究,そして調査されているからこそ,ワインは大変奥深い学問としても存在し続けていると言っても過言ではない。

   この書籍には正に,現存するほとんどの品種に関する多岐に渡る角度からの情報が,惜しみなく掲載されている。私にとっては偉大な先輩となる2人のMWが,DNA解析の権威ホセ・ヴィアモーズと共に,このような大著を成し遂げたことに心から敬意を表したい。そしてこの書籍が日本語に訳されることは,日本のワイン市場にとっても大きな躍進になることは間違いないであろう。

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信州大学特任教授,フード&ワインジャーナリスト  鹿取みゆき日本ワイナリー必携の大著日本語版

   昨年から今年にかけて,『Wine Grapes』の共著者であるホセ・ヴィアモーズ博士とマスター・オブ・ワインのジュリア・ハーディングと出会い,彼らの考えを聞く機会を得た。昨今の気候変動や消費者の意識変化の影響を受け,ワイン用ブドウ品種は多様化し,半世紀後には,世界のワイン用ブドウの栽培マップは大きく様変わりする可能性もあるようだ。今まで無名に近かった品種のワインが注目される時代になったのだ。『Wine Grapes』には,有名なヨーロッパ系品種のみならず,そうした超マイナー品種も含めて1,368種類(!)もの品種について,出自,耐病性,ワインになった時の特徴,栽培地など,詳細な情報が載っている。

   昨年,日本で設立されたワイナリー数は戦後最多。そしてワイナリーの栽培醸造担当者に加えて,全国のブドウ栽培農家も様々な形でワインづくりに関わるようになった。彼らとて,世界のマイナー品種を無視できないのだ。実際,私は日本全国各地の日本ワインのつくり手たちを訪問するたびに,この本を推薦し続けてきた。その大著の日本語版。彼らにとっても必携の本になるのは間違いない。

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日本輸入ワイン協会会長 山本 博ワイン用ブドウを知るための関係者待望の必読書

   第二次世界大戦が終わり,東京オリンピックのおかげで日本に世界のワインが入りだした頃までは,ワインを学ぶということは何をおいてもまず外国のワイン生産地の地名を暗記することだった。二十世紀の最後のクオーター(十五年)にワインの世界に激変が生じるようになると地名だけではすまなくなった。地区名もワインの品質判断の手がかりになり,伝統をもたないアメリカではヴァラエタル・ワイン(使用ブドウ表示ワイン)が流行するようになると旧世界にもそれが拡がるようになった。そのためワインを飲む者としてはどうしてもブドウ品種のことを知らなければならなくなっている。そうした現象とは別に,世界各国各地のワイン生産者が,良く売れる人気品種を栽培するようになると世界中のワインがせいぜい十種くらいのブドウで造られるような傾向に危機感を持つ人達も現れ,土着品の見直しを考えるようにもなった。

   このような世界のワイン生産の動向を背景にブドウ品種についての知識の必要が,今あらためてワイン関係者にとって不可欠のものになりつつある。と言ってもブドウの品種はあまりにも多いのでそう簡単ではない。ワイン用ブドウのことを知ろうと思っても,今のところはジャンシス・ロビンソン他著の「WINE GRAPES」が頼りになるくらいだった。ただしこの本は1,368種のブドウを取り上げ紹介した大著のため読むと言ってもそう簡単にできない話だった。 そうしたことから本書が日本語で現れたというのは画期的である。内容を含め正に待望の本であり,ワイン関係者必読の書であろう。

区切りとしてのぶどう画像

山梨大学大学院総合研究部附属ワイン科学研究センター長 教授 奥田 徹日本ワインの「適地適品種」を探るための恰好の書

   温暖化が進行し,多くの国のワイン業界が様々な問題を抱えています。高温による着色障害や,病気・害虫への対策は,世界中で急ピッチに進められています。我が国でもWinkler IndexでクラスⅤやToo Hotに分類される地域が増えることが予想されます。

   日本ワインの品質を維持・向上させ,産地形成を図るためにも,「適地適品種」は,これまでにも増して重要になるでしょう。世界には我が国の気候に適した品種が沢山あるはずです。品種の特徴を把握し,将来を見越した戦略を立てる上でも,そして,遺伝資源として既存の品種を利用するためにも,この事典の重要性は疑う余地がないでしょう。

海外大使からもメッセージをいただきました

海外大使からもメッセージをいただきました

ポルトガル大使 - フランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス 様

ポルトガル大使様からの推薦メッセージ 日本語
ポルトガル大使様からの推薦メッセージ ポルトガル語
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ギリシャ大使 - Constantin Cakioussis 様

ギリシャ大使様からの推薦メッセージ 日本語
ギリシャ大使様からの推薦メッセージ 英語
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目次

●系統図のリスト / ●まえがき/ ●この本の使い方 / ●序文(ブドウ品種の重要性,ブドウ属,ブドウの品種・変異およびクローン,ブドウの育種,害虫と病気,台木・接ぎ木・流行,ブドウの年樹齢,ブドウ畑の変遷,ワインの命名と表示,DNA解析)/ ●歴史的観点 / ●原産国ごとの品種リスト / ●カラーイラストの説明 / ●謝辞 / ●アルファベット順ブドウ品種の解説(ブドウの色,主要な別名,間違えられやすい品種,起源と親子関係,起源等他の仮説,ブドウ栽培の特徴,栽培地とワインの味)/ ●用語集 / ●参考文献 / ●索引

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組見本 組見本3P上 組見本3P下
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本事典の特色

 本事典は,ワイン界の第一人者による圧倒的な情報量の多さと正確さを誇る網羅的なワイン用ブドウ品種の解説書である。ワイン用に世界各地で生産されるブドウ栽培品種1,368種を取り上げ,各品種の解説のみならず,その品種から作られるワインの多様性にも触れるなど広がりを持たせた内容である。

具体的には,栽培品種ごとに

1)ブドウの起源と親子関係(育種系統やDNA解析で明らかになった親子関係)
2)ブドウ栽培の特徴(生育特性,果実の特徴,罹りやすい病気,栽培適地など)
3)産地とワインの特徴(各国の栽培状況,ワインの種類や特徴,推奨される生産者など)

から構成されている。また,カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ,シラーなど,近年のDNA解析で明らかになった詳細な親子関係や,これまでまとまった情報が少なかったセイベル系品種なども貴重な系統図が示されている。

本事典掲載の有名な25品種
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主な読者対象

●ワイン関係の研究・教育に従事している人
●ブドウとワインに関するデータベースを必要としている人
●ブドウ栽培農家,ワイナリー,ソムリエ,ワイン関連飲食店,ワインの輸入・流通・販売に携わる方
●農学,果樹園芸学,ワイン科学,醸造学,食品科学関連の学生,研究者
●ソムリエ資格取得を目指す人

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ソムリエ・ワイン界称賛 世界的名著 本邦初の翻訳版 ソムリエ・ワイン界称賛 世界的名著 本邦初の翻訳版

原著:Jancis Robinson, Julia Harding, José Vouillamoz
後藤奈美 監訳/北山雅彦・北山 薫 訳
・ISBN:978-4-320-05789-0 C3545
・判型:B5判・上製函入
・ページ数:1,500頁
・発行年月:2019年7月12日刊行
・定価(本体42,000円+税)
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