基本法則から読み解く物理学最前線

監修:須藤彰三・岡 真

 近年の物理学は著しく発展しています。私たちの住む宇宙の歴史と構造の解明も進んできました。また、私たちの身近にある最先端の科学技術の多くは物理学によって基礎づけられています。このように、人類に夢を与え、社会の基盤を支えている最先端の物理学の研究内容は、高校・大学で学んだ物理の知識だけではすぐには理解できないのではないでしょうか。
 そこで本シリーズでは、大学初年度で学ぶ程度の物理の知識をもとに、基本法則から始めて、物理概念の発展を追いながら最新の研究成果を読み解きます。それぞれのテーマは研究成果が生まれる現場に立ち会って、新しい概念を創りだした最前線の研究者が丁寧に解説しています。日本語で書かれているので、初学者にも読みやすくなっています。
 はじめに、この研究で何を知りたいのかを明確に示してあります。つまり、執筆した研究者の興味、研究を行った動機、そして目的が書いてあります。そこには、発展の鍵となる新しい概念や実験技術があります。次に、基本法則から最前線の研究に至るまでの考え方の発展過程を“飛び石”のように各ステップを提示して、研究の流れがわかるようにしました。読者は、自分の学んだ基礎知識と結び付けながら研究の発展過程を追うことができます。それを基に、テーマとなっている研究内容を紹介しています。最後に、この研究がどのような人類の夢につながっていく可能性があるかをまとめています。
 私たちは、一歩一歩丁寧に概念を理解していけば、誰でも最前線の研究を理解することができると考えています。このシリーズは、大学入学から間もない学生には、「いま学んでいることがどのように発展していくのか?」という問いへの答えを示します。さらに、大学で基礎を学んだ大学院生・社会人には、「自分の興味や知識を発展して、最前線の研究テーマにおける“自然のしくみ”を理解するにはどのようにしたらよいのか?」という問いにも答えると考えます。
 物理の世界は奥が深く、また楽しいものです。読者の皆さまも本シリーズを通じてぜひ、その深遠なる世界を楽しんでください。

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