理論統計学教程

編集:吉田朋広・栗木 哲

 理論統計学は、統計推測の方法の根源にある原理を体系化するものである。その論理は普遍的であり、統計科学諸分野の発展を支える一方、近年統計学の領域の飛躍的な拡大とともに、その体系自身が大きく変貌しつつある。新たに発見された統計的現象は新しい数学による表現を必要とし、理論統計学は数理統計学にとどまらず、確率論をはじめとする数学諸分野と双方向的に影響し合い発展を続けており、分野の統合も起きている。このようなダイナミクスを呈する現代理論統計学の理解は以前と比べ一層困難になってきているといわざるをえない。統計科学の応用範囲はますます広がり、分野内外での連携も強まっているため、そのエッセンスといえる理論統計学の全体像を把握することが、統計的方法論の習得への近道であり、正しい運用と発展の前提ともなる。

 統計科学の研究を目指している方や応用を試みている方に、現代理論統計学の基礎を明瞭な言語で正確に提示し、最前線に至る道筋を明らかにすることが本教程の目的である。数学的な記述は厳密かつ最短を心がけ、数学科および数理系大学院の教科書、さらには学生の方の独習に役立つよう編集する。さらに、各トピックの位置づけを常に意識し、統計学に携わる方のハンドブックとしても利用しやすいものを目指す。

 なお、各巻を(I)「数理統計の枠組み」ならびに(II)「従属性の統計理論」の2つのカテゴリーに分けた。前者では全冊を通して数理統計学を俯瞰すること、また後者では我国で独自の発展を遂げている確率過程にまつわる統計学の系統的な教程を提示することを目的とする。


《続刊テーマ》

〇数理統計の枠組み
確率分布
統計的多変量解析
多変量解析における漸近的方法
統計的機械学習の数理
統計的学習理論
統計的決定理論
ノン・セミパラメトリック統計
ベイズ統計学
情報幾何、量子推定
極値統計学

〇従属性の統計理論
確率過程と極限定理
確率過程の統計推測
レビ過程と統計推測
高頻度データの統計学
マルコフチェイン・モンテカルロ法、統計計算
経験分布関数・生存解析


※書名などは予告なく変更される場合があります。

従属性の統計理論

数理統計の枠組み

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