アルゴリズム・サイエンスシリーズ

編:杉原厚吉・室田一雄・山下雅史・渡辺 治(50音順)

 インターネットやバイオインフォマティクスなど、情報科学は社会への影響力を急速に増大・拡大している。情報科学の基礎を支えるアルゴリズム・サイエンス分野も例外ではない。この四半世紀の進歩はまさに驚異的であったが、現在もその速度は増すばかりのように見える。
 このような情勢の下に、アルゴリズム・サイエンスに対する時代の要請は以下の4点にまとめられる:
まず、並列計算機や分散計算環境が容易に手に入る時代となり、このような新しい計算環境のもとで上手に問題を解決するための新しい解法の開発が必要とされていることである。
 次に、バイオインフォマティクスやナノ技術など多くの応用分野が巨大な問題を上手に扱うための新しい計算パラダイムを必要としていることである。
 第3に、情報セキュリティという重要な応用分野の出現が、従来は応用に乏しい理論研究と考えられてきた整数論や計算困難性理論の実学としての再構築を迫っていることである。
そして最後に、これらの要請に応える健全なアルゴリズム・サイエンスの発展を担う人材の教育・養成である。
 以上の状況を踏まえ、われわれは以下の2つの主目的を掲げて、アルゴリズム・サイエンス シリーズを発刊することにした。
 第1に、 アルゴリズム・サイエンスを高校生あるいは大学初年度生に紹介し、若年層のこの分野に対する興味を喚起することである。
 第2に、アルゴリズム・サイエンスのこの四半世紀の進歩を学問体系として整理し、この分野を志す学習者および研究者のための適切な学習指針を整備することである。
 これら2つの目的を達成するために、本シリーズは通常のシリーズと異なる構成をとることにした。まず,2つの「超入門編」として、『入口からの超入門』と『出口からの超入門』を置いた。これらにより、理論的な展開に興味をもつ学生も,アルゴリズムの応用に興味をもつ学生も、ともに高校生程度の基礎学力で十分にアルゴリズム・サイエンスの面白さを満喫していただけることを期待している。
 次に、乱択(確率)アルゴリズムや近似アルゴリズムなどを含む、新たに建設された興味深いアルゴリズム分野を紹介し詳述するために、「数理技法編」として諸巻を設けることにした。『入口からの超入門』がこれらの巻に対する適切な入門書となるように企画されている。
 さらに、バイオインフォマティクスや情報セキュリティに代表されるような、重要な応用分野における各種アルゴリズムの発展という視点からいくつかのテーマを厳選し、「適用事例編」として本シリーズに加えることにした。これらの巻に対する入門書が『出口からの超入門』である。
 なお、各巻は大学や大学院の教科書として利用できるよう内容を工夫し、必要な初歩的知識についてもできるかぎり詳述するなど、各著者に自己完結的に構成していただいている。

数理技法編

適用事例編

超入門編

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