情報工学テキストシリーズ

編:三木光範

 このテキストシリーズは「自分が企画・提案しなかったらずっと出てこない製品やサービスを世に生み出す能力と気概」を情報工学教育の中で涵養する目的を持って企画したものである。
 国際競争力のある製品やサービスを企画・提案・設計・開発し、日本の製造業の営業利益率を8%に上げ、豊かで希望が持てる社会に変えてゆくためにエンジニアが果たす役割は大きい。そのため、そうしたエンジニアを育てる高専・大学・大学院の教育は極めて重要である。特に、情報工学は、次世代の製品やサービスの中核となる学問分野である。最新の車にはコンピュータの心臓部であるマイクロプロセッサが100個以上搭載されており、車はもはや走るコンピュータである。動力源は内燃機関から電気モーターに進化しても、それを制御し、快適で楽しいドライブを実現するのはコンピュータの役割である。車も、飛行機も、電車も、電話も、テレビも、調理道具も、あらゆるものがコンピュータの力で新たな可能性を生み出し、それらがネットワークで結ばれ、音楽、映画、新聞などとの融合も加わり、さらに大きな価値をもたらす。
 こうした情報工学の分野で新たな価値を生み出すエンジニアの教育に関する斬新な試みをこのテキストシリーズでは行う。それは次の観点である。
 1.学生の興味から入り、学ぶことの必要性を理解させるアクティブラーニングを基本とする。
 2.知識が実際の製品やサービス作りでどのように役立つのかを学生が理解する。
 3.学生が獲得した知識で、新しい、かつ楽しい製品やサービスが実現できることを学生が経験し、企画や提案が楽しいことを味わう。
 もちろん、この目標の実現にはテキストだけでなく、教員の力量が重要であることは言うまでもない。このテキストシリーズはエンジニアの独習用ではなく、上記の目標を実現したい学生と教員の熱意を支援するために企画した。講義を受ける学生諸君は、社会で毎日生じる多くの問題をエンジニアとしてどう解決するかを考え、理工学のみならず、経済や社会に関して幅広い知識を身につけてほしい。また、諸君らは情報工学の専門家として力を付け、多くの問題に対して自分が率先してソリューションを提供できるようになってほしい。

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