ナノテクノロジー入門シリーズ 全4巻

編集:日本表面科学会
編集委員:荻野俊郎・宇理須恒雄・本間芳和・北森武彦・菅原康弘・粉川良平・猪飼 篤・白石賢二

このたび「ナノテクノロジー入門シリーズ」(全4巻)を刊行する運びとなりました。ナノテクノロジーは21世紀初頭の科学技術界をリードするキーワードとして華々しく巷間に取り上げられ、いくつもの紹介書や専門書が刊行されている中で、本シリーズが従来の書と大きく一線を画すのは、ナノテクノロジー領域が持つもっとも先端的な特徴である、「異分野融合」を第一において企画されたシリーズである点であります。
トップダウン、ボトムアップとナノテクノロジー開拓の道はさまざまであり、対象とする研究材料は無機物、有機物、バイオ試料と多岐にわたりますが、原子・分子レベルでの作業を通じて、従来の物理、化学、生物という学問分野別の研究方法はまさに融合を余儀なくされております。この結果、物理学、工学、化学、生物学などの分野で学部・大学院教育を受けた研究者がある日突然、まったく異分野と思っていた方向で新しい研究を進めることになる、という場面がめずらしくない昨今となっております。このような場面で、いままで異分野と思ってためらいのあった方面への研究展開を阻む心理的バリアをできるだけ低くし、ナノテクノロジーに必要な知識を簡潔でわかりやすく提供する入門書が本シリーズであります。
この目的のために、各巻は、『バイオ』、『化学・材料』、『物理』、『工学』と銘打っておりますが、その編集はむしろその分野の専門家でない編集委員を交えての設定をとり、たとえば、急にバイオ関連のナノテクノロジー知識が必要となった物理・工学・化学関係者が読める内容を『ナノテクのためのバイオ入門』としております。この方針を他の3巻にも適用して編集しておりますので、本シリーズは真に異分野融合を個人のレベルで可能とすることを目的としており、この編集方針に賛同いただけました共立出版株式会社のご協力を得て刊行いたします。本シリーズが編集目的を十分生かした有用なシリーズとなるよう出版委員一同協力して努めておりますが、さらに好内容となりますようご意見・ご助言をいただければ幸いと存じます。

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