電子と生命―新しいバイオエナジェティックスの展開―
- ISBN:978-4-320-05540-7
- 判型/ページ数:A5 / 192ページ
- 発行年月:2000年06月
- 本体価格:3,600円
古い時代の生体エネルギー変換の研究では,能動輸送するプロトンと高エネルギー分子ATPが主役であった。 しかし近年,生体エネルギー変換の中核をなす光合成アンテナ系・反応中心,チトクロムbc1複合体・・・
古い時代の生体エネルギー変換の研究では,能動輸送するプロトンと高エネルギー分子ATPが主役であった。 しかし近年,生体エネルギー変換の中核をなす光合成アンテナ系・反応中心,チトクロムbc1複合体・・・
水は本当に神秘的液体だろうか。一般に小さくて軽い分子は常温常圧で気体であるが,唯一の例外が水である。この例外は水分子間の強い相互作用から生まれ,水に特別な性質を付与する。水はあらゆる他の物質を良く溶・・・
すべての生命活動のエネルギー源であるATPがどのように作られるかという命題に,化学浸透圧というきわめて明快な概念を与えたのがP.Mitchellであるが,この概念の背景となる分子実体が明らかになるまで・・・
最近,ドメイン形成や多形構造など,集団として挙動することによってはじめて現れる脂質膜の物性・ダイナミクスが,多くの生体膜の形態形成・機能発現に関与していることが注目されている。今までシンガー&ニコルソ・・・
生体は停止することのない非常に動的なシステムである。また,その形が機能と密接に関連しているシステムでもある。これらの特性は分子から細胞,個体,生態系に至るすべてのレベルでつらぬかれている。 現在・・・
本巻は「生物の形は自己構築により形成される」という考えを基盤にして編纂された。 たとえば,砂山の斜面が呈する曲線や,砂丘の風紋に見られる縞模様,正六角形を基本とした雪の結晶パターンなどはいずれも自然・・・
現在の分子生物学においては,生命のある現象を分子まで遡ってその原因を求め,その分子に対応する遺伝子の組合せとして生命を理解しようとしており,その生命観はある意味,たいへん機械的である。もちろん,現在の・・・
生命の起源と進化は,従来,物理学というより化学あるいは地球生物学の視点から,時には高度の数理科学的視点を取り入れてきた。本書は,地球生物学的視点はなるべく排除し,個別的に付随する副次的現象にとらわれな・・・
バイオテクノロジー,情報技術(IT)と並んで最近テレビや新聞でも話題になっているのがナノテクノロジーである。人類が文明の中で創り出してきた機械は,メートルのサイズからセンチメートル,ミリメートルへとだ・・・
生物物理学は,生命のあらゆる現象に興味をもつたいへん欲張りな学問である。生命科学における20世紀最大の成果は,遺伝子DNAの発見である。この発見によって,生命の起源,進化,細胞・個体のきのう,疾病の機・・・